--第44夜--
書き手:中川 正子さん
読み手:スタッフ小林
お読みするエッセイ:親子丼
ーーー
鶏のもも肉買って、と。
玉ねぎあったかな。
一応買っとこ。
三つ葉は今日は省略でいいや。
電動ママチャリを「パワーモード」にして
猛ダッシュで帰宅する。
岡山に住みながら
全国各地に仕事で向かう日々。
一番の気がかりは
不在時の家族のごはん。
忙しい夫は料理をする余裕がないので
彼が帰宅して
簡単に温められるものを準備して
いつも出かける。
今日は親子丼。
こういう時の定番のひとつ。
簡単だし、息子の大好物。
ーーー
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20.3.2022 • 8 Protokoll, 28 Sekunden --第42夜--
書き手:齋藤 美和さん
読み手:スタッフ鈴木
お読みするエッセイ:心の幹を大きく太く
ーーー
小さい頃から悩みやすいタイプだった。
4月の新学期も苦手。
1学期の成績表がとても悪くて、
場所や先生、友人に慣れるまで
とても時間がかかる。
若い頃はずっと悩むことが自分の影のように、
いつまでもつきまとっていたように感じる。
ただ、ある時、悩むという行為が、
考えるということにつながり、
「あ、今、私は悩んでいるけれど 、
同時に考えていることにもなるんだな」
と思えた。
ーーー
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6.3.2022 • 7 Protokoll, 22 Sekunden --第42夜--
書き手:中川 正子さん
読み手:スタッフ小林
お読みするエッセイ:おはなし会
ーーー
すり鉢状になった暗い部屋。
その中心には女性がひとり。
揺れるろうそくの光に照らされて、
低くきれいな声で朗読をする。
この景色は今でも、
ふとした瞬間に
わたしの脳内モニターに映る。
小さなころのわたしは、
他者と関わるよりも、
本を読むほうがうんと好きだった。
今、人と触れ合う仕事をしているのが
不思議なほどに。
誰にも邪魔されず、
ただずっと本を読んでいたかった。
週に1度、
母が連れて行ってくれる図書館が
何よりの楽しみだった。
「おはなしかい」
この響きを耳にすると今でも胸が高鳴る。
図書館で行われていた読み聞かせの会。
ーーー
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20.2.2022 • 8 Protokoll, 23 Sekunden 「終わりを見据えているからこそ、 今を大切に」(書き手 齋藤 美和さん)
--第41夜--
書き手:齋藤 美和さん
読み手:スタッフ青木
お読みするエッセイ:終わりを見据えているからこそ、 今を大切に
ーーー
わたしの働いている保育園には、
長い廊下がある。
グリーンのカーペットが敷いてあり、
その道を親子で手をつないで歩いているのを
よく事務所からながめている。
親子が手をつないで歩いている姿を見るのが
とても好きだ。
最初は抱っこで登園してきた子が、
だんだんと手をつないで歩くようになる。
赤ちゃんの爪の小ささ、薄さ、
甘いにおい、つかまり立ち、はいはい、
どれも今しかない姿だ。
その瞬間を愛おしく感じる。
それと同時に、
子どもと手をつないでいられる時期は、
もしかしたらそんなに長い時期では
ないのかもしれないなとも思う。
ーーー
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6.2.2022 • 6 Protokoll, 50 Sekunden 「『正しく』なくても、ハッピーに」(書き手 一田 憲子さん)
--第40夜--
書き手:一田 憲子さん
読み手:スタッフ寿山
お読みするエッセイ:「正しく」なくても、ハッピーに
ーーー
私の手元に、古いB4の
大判サイズのノートがあります。
若い頃、悶々とした思いを
このノートに綴っていました。
今、パラパラと読み返してみると、
手がけている仕事や、暮らしの状況は
刻々と変わっているのに、
ノートに綴っていることは、
驚くほどいつも同じことでした。
「どうしたら、
いい仕事ができるのだろう?」
「どうしたら、幸せになるのだろう?」
私たちの周りには、いつも数多くの
「どうしたら?」が渦巻いています。
でも大抵の場合、
答えはすぐには見つかりません。
ずっと、答えが見つかった時が、
幸せになれる時、と思っていました。
でも、どうやらそうではない、
とわかってきました。
ーーー
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23.1.2022 • 8 Protokoll, 4 Sekunden --第39夜--
書き手:山本 ふみこさん
読み手:スタッフ鈴木
お読みするエッセイ:ゾロ目
ーーー
ある日。
2階の夫の仕事場の掃除をしていました。
この部屋は通りに面していて、
ときどき、おもての音が飛びこんできます。
小学校の通学路で、ひとと自転車の通り路です。
「がんばってね がんばってね がんばってね」
歌うような声が聞こえてきました。
床をごしごし拭く手を止めたまま、
わたしときたら坐りこんでいます。
窓の下をそっと覗くと、
保育園の子どもたちの行列が見えました。
「はい、がんばりますっ」
そう云って立ち上がり、
わたしは掃除をつづけます。
頑張るということばを好きかどうか
なんてことは、どうでもよろしい……。
ありがとう、すっかり勇気づけられて、
しゃんとしました。
ーーー
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9.1.2022 • 6 Protokoll, 16 Sekunden 「片付けられる人も、片付けられない人もいる」(書き手:一田 憲子さん)
--第38夜--
書き手:一田 憲子さん
読み手:スタッフ寿山
お読みするエッセイ:片付けられる人も、片付けられない人もいる
ーーー
小さな頃から片付けが大の苦手でした。
小学生の頃から学習机の引き出しは
ぐちゃぐちゃだし、書類の整理も、
バッグの中の整頓もダメ。
そんな私がフリーライターになって、
暮らしまわりの記事を書くようになり、
収納のテーマも
数多く手がけることになりました。
収納の達人のお宅に伺ったり、
整理上手の主婦の方の
スッキリ片付いた部屋を見せてもらうたびに
「よ〜し、今度こそ」と意気込んで
片付けに取り掛かかります。
ーーー
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26.12.2021 • 7 Protokoll, 13 Sekunden --第37夜--
書き手:山本 ふみこさん
読み手:スタッフ鈴木
お読みするエッセイ:艶!
ーーー
「何かが足りない……!」
いまから5年くらい前でしょうか
(当時のわたし50ン歳)、
自分に何かが不足しているよう な気がして、
わたしはもやもやしていたのでした。
そうしてある日、ひとつのことばが、
頭のなかではじけました。
「艶!」
書くものにも、話すことばにも、
はたまた料理にも、文字にも、佇まいにも、
自分というひとの全体に足りていないのは、
艶!と気がついたのです。
さて、どうしたら艶は出せるのでしょう。
友だちに打ち明けたら、
「恋をしたら艶は出るんじゃないの?」
なんてはなしになったりして、
いやいやそういうことじゃなくてさ……、と
あわてました。
恋のはなしは、
このたびは、ちょっと置いときましょう。
ーーー
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12.12.2021 • 6 Protokoll, 56 Sekunden 「白シャツとボーダーの不思議」(書き手:徳田 民子さん)
--第36夜--
書き手:徳田 民子さん
読み手:スタッフ小林
お読みするエッセイ:白シャツとボーダーの不思議
ーーー
白シャツには、不思議な力がある。
そう、思うんです。
シャツの袖に腕を通して、鏡に向かう瞬間。
どんなときも、私は元気でイキイキした
気持ちになれるから。
きっと誰にでも、そういう服の1枚が
あるんじゃないかしら。
若い頃は、白シャツといえば、
ジャケットの下にきちんと着るものと
思っていました。
年を重ねた今では、
自分流に崩して着こなすのが楽しみ。
まだまだ、私もアップデートして
いかなくっちゃ。
今までのスタンダードにとらわれず、
自分らしく着こなすことができれば、
それが自分流かな。
ーーー
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28.11.2021 • 8 Protokoll, 15 Sekunden 「なんでもない日に、 小さなとっておきの贈り物」(書き手:甲斐 みのりさん)
--第35夜--
書き手:甲斐 みのりさん
読み手:スタッフ寿山
お読みするエッセイ:なんでもない日に、 小さなとっておきの贈り物
ーーー
仕事部屋の片隅に、大きなカゴが一つ。
私はそれを
「どうぞのカゴ」と呼んでいます。
中に入っているのは、
ポストカードや一筆箋、
マスキングテーブなどの文房具、
手ぬぐいやハンカチ、
ブローチのような
ちょっとしたアクセサリー、
箸置き、お香立て、
手のひらサイズの置き物など、
軽くてポケットに収まるほどの
ちょっとした小さなものばかり。
値段も、数百円から千円くらいまでの
手軽に買えるものがほとんどです。
ーーー
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13.11.2021 • 7 Protokoll, 3 Sekunden --第34夜--
書き手:徳田 民子さん
読み手:スタッフ小林
お読みするエッセイ:私の1日
ーーー
5:30 起床。
やさしい雨の音で、早く目が覚めた。
今日は、何着よう?
好きなコーヒーをカップに注ぐと、
ウッドデッキに出る。雨のせいなのか、
いつもは庭に来てくれる小鳥たちも、
今朝はお休み。
私は、いっぱいの緑に包まれる。
コーヒーの香りと雨の匂い。
7:00 朝食。
焼きおにぎり、アボカドと卵のサラダ、
フルーツたっぷりのヨーグルト、
わかめと茄子の味噌汁。
なぜか、朝食がいちばんおいしくいただける。
朝から食欲モリモリ。
雨は止んだみたい。30分ほどかけて、
近くにできた新しいパン屋さんまで、
散歩がてら出かけることに。
ーーー
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31.10.2021 • 7 Protokoll, 49 Sekunden 「“あたりまえ” を、 “とっておき” に変えるスイッチ」(書き手:甲斐 みのりさん)
--第33夜--
書き手:甲斐 みのりさん
読み手:スタッフ寿山
お読みするエッセイ:“あたりまえ” を、 “とっておき” に変えるスイッチ
ーーー
旅、散歩、お菓子、地元パン、手みやげ、
クラシックホテルや建築、
雑貨や暮らし……。
自分が好きだと感じるモノやコト、
訪れたまちのいいところを
再発見して紹介することを生業にして
今年で20年が経ちました。
好きなことを
仕事にできているのはありがたいけれど
現実的にはこれまでの年月を振り返ると、
苦い思いや失敗だらけ。
「あの ときは辛かったなあ」
と胸が痛むような
出来事を数えたらきりがありません。
ーーー
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17.10.2021 • 8 Protokoll, 43 Sekunden --第32夜--
書き手:後藤 由紀子さん
読み手:スタッフ齋藤
お読みするエッセイ:大人になったら
ーーー
長い人生、良いことも悪いことも
同じ分量でやってくる。
自分が子供だった頃、
性格の暗さも手伝って
悩みがちな少女だった。
いつも明るい母を見ては
「大人になったらきっと、色んなことが
あっけらかんといくのだろう。
早く大人になりたい」と思っていた。
今、そのころの母の年齢に差し掛かり
さて自分はどうだろうと考えたとき、
今は今でまた違った悩みがあり
大人は大人でいろいろあると知る。
ーーー
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3.10.2021 • 7 Protokoll, 33 Sekunden 「そっとしておきたい思い出」(書き手:秀島 史香さん)
--第31夜--
書き手:秀島 史香さん
読み手:スタッフ寿山
お読みするエッセイ:そっとしておきたい思い出
ーーー
季 節の変わり目。
心も体もちょっと揺らいでいませんか。
今日は初秋のひやりとした空気を感じる
この時期、「今どうしているのかな」と
思い出す大切な人たちのお話を。
あれは、ワンルームで人生初の
一人暮らしを始めた、社会人1年目の秋。
暑い夏が終わり、空気がひんやりしてくると、
部屋に一人シーンとしているのが
やたら寂しくなってきたのです。
ーーー
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19.9.2021 • 7 Protokoll, 47 Sekunden --30夜--
書き手:後藤 由紀子さん
読み手:スタッフ齋藤
お読みするエッセイ:なんでも軽量化
ーーー
歳を重ねるとともに体力が落ちる。
それを身をもって実感することが
年々増えてきた。
最初は洗い物をしていると
器をつるんと落とすようになり、
お出かけ時に厚手のコートを着ると
帰りには肩が凝って、
脱いでしまいたいほど疲れたり。
しまいには中華鍋が振れなくなり、
両手に木べらをもって
お好み焼き屋さん状態で
ひっくり返す始末。
こんなはずじゃなかったのに!
と思いながらも
日々の暮らしは続くわけで、
私なりに
工夫せざるを得ない状況になった。
「代替品を探す」
それも思いのほか楽しい作業だった。
ーーー
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6.9.2021 • 7 Protokoll, 35 Sekunden 「いま、なにか初めてのことを」(書き手:秀島 史香さん)
--第29夜--
書き手:秀島 史香さん
読み手:スタッフ寿山
お読みするエッセイ:いま、なにか初めてのことを
ーーー
今年は短い夏休みですが、
9歳の娘のスタンスは
「だったら毎日全力であそぶ!」。
一輪車の練習、水風船遊び、
アクセサリー作りなどなど、
毎日フル稼働で楽しんでいます
(宿題はいずこ……)。
私はどんなことしてたかなぁ。
そうだ、初めて一人で新幹線に乗ったの、
この年頃でした。
ーーー
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22.8.2021 • 7 Protokoll, 30 Sekunden 「頑張りすぎず、心地よく」(書き手:藤原 奈緒さん)
--第28夜--
書き手:藤原 奈緒さん
読み手:スタッフ鈴木
お読みするエッセイ:頑張りすぎず、心地よく
ーーー
毎日お疲れさまです。
長いお休みは、いつも以上に
ごはんを作るのに追われている人も
多いのではないかと思います。
ふじわらさん、
いつもどんなごはんを食べていますか?
とよく聞かれるのですが、
仕事で料理を作っているので
自分のことは決して頑張りません。
毎回ゼロからごはんを作るのは
大変なことだから、
自分に合った方法で
いろんなものの力を借りて、
食事を楽しめるように。
わたしが家でしていること、
たとえば。
ーーー
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8.8.2021 • 7 Protokoll, 11 Sekunden --第25夜--
書き手:山本 ふみこさん
読み手:スタッフ齋藤
お読みするエッセイ:ブラックコーヒー
ーーー
親しかったひとが
自分の前から去ってゆき、焦る。
数人でことに取り組んでいて、
つまらないことが発端となって、ぎくしゃく。
とつぜん嫌なことを云われて、どんより……。
かつて経験した
人間関係の「負」の出来事を思い返すと、
渦中のわたしは
いつもこんなふうに考えていました。
「わたしはわるくない」
わたしはわるくない、
わたしはわるくない、
わたしは……と思いこんでいたのです。
30代が終わろうとする歳の、夏の記憶。
目の前にコーヒーが置かれました。
ーーー
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25.7.2021 • 6 Protokoll, 16 Sekunden --第26夜--
書き手:藤原 奈緒さん
読み手:スタッフ鈴木
お読みするエッセイ:愛の交換
ーーー
もし料理の仕事についていなかったら
女の人をきれいにしたり、
力づけたりする仕事につきたかった。
それは自分のなかの自尊感情というものが
低かったからだと思う。
料理を作る人に
ごはんをおいしく作れるようになってほしい、
と思って仕事をしているのも
それが自己肯定感の近くにあると思うから。
自分の作った料理に
OKを出せるようになることと
そのままの自分を美しいと思うことは
どこか近いことのような気がする。
美しい、とまでは思えなくても
せめて、悪くないな、と思って
生きていきたいものだ。
ーーー
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11.7.2021 • 7 Protokoll, 32 Sekunden --第25夜--
書き手:山本 ふみこさん
読み手:スタッフ齋藤
お読みするエッセイ:一杯やらない?
ーーー
「この春、小学生になりました」
仕事仲間のネジバナさん(仮名)の
お嬢さんのはなしです。
「まあ。学校にはたのしく通ってる?」
「ええ、いまのところは。でも、いつか
娘が辛い目に遭ったら、どうしよう……」
仕事をご一緒するようになって約1年。
わたしより25歳も若いのに、
なんて聡明な女性だろうと感心させられてきた
ネジバナさんにも迷いや不安があるのでした。
「まだ起きてないことを心配するよりも……」
と考えめぐらすさなか、ふと思いだしました。
いまから30年近くも前のこと。
ウィスキーを飲みながら、
深夜わたしは仕事をしていました。
フリーランスになったばかりで、
仕事の調整がうまくゆかず、大混乱。
そこへ長女がトイレに起きてきて、
あたふたしているわたしの前に
ちょこんと坐ったのです。
ーーー
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27.6.2021 • 6 Protokoll, 31 Sekunden --第24夜--
書き手:齋藤 美和さん
読み手:スタッフ小林
お読みするエッセイ:記憶の置き場
ーーー
自分が存在していることが
物語のように感じることがある。
全て作り物で、夢なのかもしれないと
突然そんな気持ちに襲われる。
私が今、存在していることは
今本当に起きていることなのかな?
と考える。
それは小さな頃からの癖で
大人になっても未だにやってしまう、
心が、しんみりする遊びだ。
でも、園に到着して、
子どもたちの声を聞くと、
あ、私の今生きている現場は
ここにあるのだなと思う。
ーーー
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13.6.2021 • 7 Protokoll, 29 Sekunden --第23夜--
書き手:引田 かおりさん
読み手:スタッフ青木
お読みするエッセイ:どんなときも
ーーー
私には
大切にしている宝ものの言葉が、
二つあります。
一つは、理論物理学者 佐治晴夫さんの
「未来は過去を変えられる」。
なんて素敵な魔法でしょう。
入学試験に落ちて味わった絶望や
失恋の痛手。
当時はこの世の終わりのようでしたが
もし合格していたらまったく違った人生、
あの人と結婚していたら......と、
今なら思います。
ね、今が幸せなら、ああこれで良かった
に変っているでしょう。
自分に必要な試練や時間だったのだ
と思えるときが必ず来るし、
そう思えるようにしっかり生きていけばいい
ということを教えてくれました。
ーーー
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30.5.2021 • 7 Protokoll, 14 Sekunden 「ご褒美みたいな出会い」(書き手:齋藤 美和さん)
--第22夜--
書き手:齋藤 美和さん
読み手:スタッフ小林
お読みするエッセイ:ご褒美みたいな出会い
ーーー
しあわせについて考えます。
「毎日ご機嫌で暮らしたい」。
それが、ささやかな願い、
そして一番のしあわせ。
おたふく風邪に水ぼうそう、
子どもと一緒にかかっては
一人ひどくなるという20代後半。
こどもの日 に買ったスケートボードに
母さんも!と乗った途端に
すっ転んで骨折。
思い返すと笑っちゃうくらいの、
病気とケガのオンパレード。
元気な母さんでなくて本当にごめんねと
謝りながらの子育てでした。
一方、多忙を極める
モーレツサラリーマンの夫は、
何があっても「大丈夫」を繰り返すばかり。
ぜんぜん大丈夫なんかじゃないんだけど。
ーーー
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16.5.2021 • 6 Protokoll, 58 Sekunden --第21夜--
書き手:引田 かおりさん
読み手:スタッフ青木
お読みするエッセイ:しあわせ
ーーー
しあわせについて考えます。
「毎日ご機嫌で暮らしたい」。
それが、ささやかな願い、
そして一番のしあわせ。
おたふく風邪に水ぼうそう、
子どもと一緒にかかっては
一人ひどくなるという20代後半。
こどもの日に買ったスケートボードに
母さんも!と乗った途端に
すっ転んで骨折。
思い返すと笑っちゃうくらいの、
病気とケガのオンパレード。
元気な母さんでなくて本当にごめんねと
謝りながらの子育てでした。
一方、多忙を極める
モーレツサラリーマンの夫は、
何があっても「大丈夫」を繰り返すばかり。
ぜんぜん大丈夫なんかじゃないんだけど。
ーーー
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2.5.2021 • 6 Protokoll, 57 Sekunden 「大事なのはどんな仕事をするかでなく、どう仕事をするかだった」(書き手:一田 憲子さん)
--第20夜--
書き手:一田 憲子さん
読み手:スタッフ青木
お読みするエッセイ:大事なのはどんな仕事をするかでなく、どう仕事をするかだった
ーーー
私が自転車を置く駐輪場には、
数名のおじさんたちがいます。
毎朝、全速力で自転車を漕いで到着し、
その中の一人を見つけると嬉しくなります。
私が一番好きなおじさん!
「お、今日は早いねえ~」
「寒いね~。気をつけて」
と声をかけてくれて、その声を聞くたびに
都内に年上の身内がいない私は、
なんだか見守ってもらっているような、
温かい気分になります。
そしていつも、
人は笑顔と挨拶の言葉だけで、
誰かを幸せにできるんだなあと
背中で感じながら仕事に出かけます。
フリーライターになってから、
いい仕事がしたい、
好きな雑誌に記事を書けるようになりたい、
もっと言えば、ちょっとは
名前が知られるライターになりたい、
素敵な人たちと一緒に仕事ができるように
なりたい、と思ってきました。
若い時期、ハングリーであることや、
野望を持つことは
自分の成長のために決して悪いことでない、
と今でも思います。
でも……。
ーーー
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18.4.2021 • 7 Protokoll, 46 Sekunden --第19夜--
書き手:馬場 わかなさん
読み手:スタッフ寿山
お読みするエッセイ:一人で食べる
ーーー
その人は、歳の頃は
40代半ばくらいだったろうか。
年老いた母親と、
ふわふわの毛の猫と暮らしていて、
大学生の甥っ子と、彼に図々しく
くっついて上がり込んだ
その恋人(だった当時の私)を
コタツに招き入れ、
手際よくささっと作ったおかずを
気に入りの器に1つ1つ盛って
御膳に載せ、ふるまってくれた。
その一連の動きがとても楽しそうで、
自分が美味しいと思うものを
作って食べる、ということを
日々喜んで、楽しんでいるのだな、
素敵だなあ!と感じたものだ。
それは実家暮らしの大学生だった私が、
生活を楽しむ、ということを、
家族以外の人にくっきりと見せてもらった
初めての体験だったかもしれない。
ーーー
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4.4.2021 • 8 Protokoll, 5 Sekunden 「自分と違う意見にも『なるほどね』と言える人に」(書き手:一田 憲子さん)
--第18夜--
書き手:一田 憲子さん
読み手:スタッフ青木
お読みするエッセイ:自分と違う意見にも『なるほどね』と言える人に
ーーー
仕事を頑張るだけがエライわけじゃないし、
片付いた部屋だけが心地いいわけじゃない。
世の中には、いろいろな「正解」があって、
私にとっての「正解」が、
あ なたの「正解」となるとは限らない……、
とは頭でわかっていても、
実際に、隣にいる人が
自分と真逆な意見を持っている場合、
それを認めるのは
なかなか難しいものです。
私は気が小さいのにプライドは高い、
という面倒くさい性格で
人に間違いを指摘されることが
大嫌いでした。
「その意見は違うと思う」とでも
言われようものならしゅんと落ち込んで、
必要以上にクヨクヨし、
挙げ句の果てに
「あの人、ここがわかっていないから」
と逆恨みしたりして……。
ーーー
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21.3.2021 • 7 Protokoll, 23 Sekunden --第17夜--
書き手:馬場 わかなさん
読み手:スタッフ寿山
お読みするエッセイ:店
ーーー
子どもが0歳の頃、
保育園には入れなかったし、
仕事も即バリバリ復帰できたわけではなく
ゆったりしたペースだった。
産後の身体はフラフラだったけど、
子どもと2人きりの昼間は
何か外の空気を吸いたくなって
散歩がてら外に出て、
抱っこ紐で前に抱いたまま近所の店に入り、
ボロボロと食べかすを赤子の頭の上に
落としながら昼食を食べたりしていた。
そんな時、店の人が付かず離れず、
でも気軽に話しかけてくれると
随分嬉しかった。大人と喋るのが
そのタイミングだけだったりしたから。
世の中と細い糸だけで繋がっているような
不思議な感覚のあの時期、
そういった触れ合いが
やたらと温かく感じられて有難かった。
ーーー
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7.3.2021 • 8 Protokoll, 19 Sekunden --第16夜--
書き手:後藤 由紀子さん
読み手:スタッフ岡本
お読みするエッセイ:義理と人情
ーーー
子供の頃から特別優等生でもなければ
人気者でもなく、
けっして目立つタイプではなかった。
そんな気質は今も変わらず、
どこへいってもマイペースで
存在感は薄い。
面白いことのひとつも言えないから
もっぱら聞き役で
ゲラゲラ笑っているほうが
楽しかったりする。
ゆうべ寝る前に、
「もしも自分が負けず嫌いだったら」
と考えてみた。
向上心があってガッツがあって
今より伸びしろがあったかな、
自分にも人にも
厳しかったりするのかな、
ライバル視する存在ができるのかな、と
そもそも持ち合わせていない気質なので
思い浮かぶのはそのくらいだった。
自分に自信がなく
ダメでなんぼなところがあるため、
私には言われたくないよねーと思うと
人に注意もできない。
ーーー
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21.2.2021 • 7 Protokoll, 17 Sekunden --第15夜--
書き手:秀島 史香さん
読み手:スタッフ寿山
お読みするエッセイ:言葉の海
ーーー
娘が初めての国語辞典を買いました。
「すごい!3万6千語も入ってる!」と
驚いている姿を見て、新鮮な気持ちに。
そういえば自分が日常的に使う言葉って、
何個くらいになるのかな。
今日1日で使った言葉は?
どんな場所で?誰に?
こうして「数」でとらえてみても、
言葉って面白いなと思います。
「もっとすごいの見てみる?」と
棚から広辞林を出したら、
「枕みたい!持ってみたい!」の一言。
こちらは16万語収録ですって。
「こんな中からよく言葉を探せるねえ」と
目を丸くする娘の隣で、
「こうやって引くんだよ。ええと、
あかさたな……字が小さいな……」
と、厚み10センチはある辞書を前に
現役感ゼロのモタモタぶり。
そして何十年ぶりにパラパラめくると、
まだまだ知らない言葉ばかり。
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7.2.2021 • 8 Protokoll, 23 Sekunden 「全然丁寧ではありません」(書き手:後藤 由紀子さん)
--第14夜--
書き手:後藤 由紀子さん
読み手:スタッフ岡本
お読みするエッセイ:全然丁寧ではありません
ーーー
お弁当の本を出版した2015年の翌年
これまでになかった勢いで
書籍のオファーをいただいた。
雑貨屋を営んでいることもあってか
さぞかし丁寧に暮らしているのでは、
と思われることも多く、口をそろえて
「丁寧に暮らすをテーマに」とのこと。
お話を伺ううちに、
どんどん恥ずかしくなり、変な汗が出てきた。
わたしは全然、丁寧に暮らしていないのだ。
なんでも70点くらいなのに、
それ以上に見せることには抵抗があった。
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24.1.2021 • 7 Protokoll, 25 Sekunden --第13夜--
書き手:秀島 史香さん
読み手:スタッフ寿山
お読みするエッセイ:悩むのは良いサイン
ーーー
今日は仕事と、
悩んだときの復活方法のお話を。
「ラジオDJってどうやってなったの?
迷いはなかったの?」とよく聞かれます。
ざっくりいくと、子どもの頃から
「ラジオから聞こえてくる人の声って
安心するなあ」と憧れ、
連戦連敗のオーディションを経て、
大阪の局で週一の深夜の生放送を始めたのが
二十歳の頃。
手が震えるほど緊張した初回から
あっという間に20数年が経ち、今に至ります。
途中ウロウロ迷ってあちこちぶつけては、
落ち込んだり、復活したり。
今でもそんな繰り返しです。
ーーー
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10.1.2021 • 8 Protokoll, 28 Sekunden --第12夜--
書き手:山本 ふみこさん
読み手:スタッフ齋藤
お読みするエッセイ:口癖
ーーー
焦げ臭い!
あ、煮ものを火にかけていたのを、
うっかり忘れました。
忘れたのは、ほんの短い時間だったけれど……
煮ものはしっかり焦げました。
罪なき大根、にんじん、里芋、油揚げたちに
詫びながら、わたしはまたこうつぶやきます。
「ちっちゃな不幸が
ところどころ混ざってるのが、いいのよ」
これは、わたしの口癖です。
ーーー
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13.12.2020 • 6 Protokoll, 26 Sekunden 「雨の休日のとっておき、 家の中でピクニック」(書き手 / 甲斐みのりさん)
--第11夜--
書き手:甲斐 みのりさん
読み手:スタッフ岡本
お読みするエッセイ:雨の休日のとっておき、 家の中でピクニック
ーーー
俳人である両親が
休日に家族で出かける先に選ぶのは
自然の中がほとんどでした。
母が早起きして作ったお弁当を車につめて、
野山や田畑、川、海、湖を目指します。
目的地へ到着すると、しばらくの間、
父と母は、草木や花を観察し たり
鳥の声に耳を傾けたり。
私たち姉妹は、
辺りを探検がてら、ひと遊び。
ーーー
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29.11.2020 • 7 Protokoll, 1 Sekunde --第10夜--
書き手:山本 ふみこさん
読み手:スタッフ齋藤
お読みするエッセイ:練習
ーーー
不意に問われて、
咄嗟に答える、ということがあります。
ごく最近のあのときもそうでした。
「山本さん、大人の条件って
どんなことだと考えていますか?」
「え?」と詰まって、
とてもすぐには答えられない、
と思っていたのに、
口からことばがこぼれ出ました。
「ヒトノシアワセヲ ヨロコブ」
ーーー
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15.11.2020 • 6 Protokoll, 15 Sekunden 「夜のとっておき、手紙の時間」(書き手 / 甲斐みのりさん)
--第9夜--
書き手:甲斐 みのりさん
読み手:スタッフ岡本
お読みするエッセイ:夜のとっておき、手紙の時間
ーーー
“雑貨” という言葉を覚えたのは
中学生になってから。
愛読し始めたファッション・カルチャー雑誌で、
雑貨の特集が
頻繁に組まれていたのがきっかけです。
しかしながら富士山の麓で暮らす
13歳の私には、
雑貨特集のショップリストに
並ぶ東京は遠い都。
これが欲しいと思っても、
手に入れるすべがありません。
30年前はインターネットもない時代。
唯一家にいながら好きなものを
買うことができたのは、
通信販売専門のカタログ注文くらいでした。
ーーー
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1.11.2020 • 8 Protokoll, 25 Sekunden --第8夜--
書き手:徳田 民子さん
読み手:スタッフ齋藤
お読みするエッセイ:今はグレイヘア
ーーー
ヘアスタイルを変えて、
何かのきっかけにすることって、
女性にはよくありますよね。
気分を変えたり、
新しいことにチャレンジしたり。
「ヘアスタイルは、女性の生き方と
関連がある」と言ったら、
ちょっとオーバーかしら(笑)。
ーーー
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18.10.2020 • 6 Protokoll, 58 Sekunden --第7夜--
書き手:齋藤 美和さん
読み手:スタ ッフ寿山
お読みするエッセイ:ふたりの母
ーーー
私の母は、ずっと専業主婦。
夫の母は、ずっと働く母。
ふたりの母の間で、私は母になった。
ふたりの母との間で、
それぞれ私の中に
くっきりと残っている会話がある。
ーーー
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4.10.2020 • 8 Protokoll, 5 Sekunden 「ピアスが教えてくれたこと」(書き手 / 徳田 民子さん)
--第6夜--
書き手:徳田 民子さん
読み手:スタッフ齋藤
お読みするエッセイ:ピアスが教えてくれたこと
ーーー
今、私、ピアスにはまっています。
今日は、
ホワイトストーンのピアスを選びました。
グレイヘアにマッチした、揺れるデザイン。
耳元で小さな華やぎが動きます。
ピアスには、
つける楽しみの他に、集める楽しみも。
買い物ついでに
アクセサリーショップをのぞいたりして、
少しずつコレクションが増えています。
ピアスの穴は、70歳の誕生日に開けました。
「70歳で開けた人は初めてよ」
開けてくれた皮膚科のお医者さんも、
びっくり!
以前から開けたかったのですが、
正直、「痛いのかな」って、
ちょっと心配でした。
私、こう見えて、怖がりなんです。
ーーー
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20.9.2020 • 6 Protokoll, 41 Sekunden 「1センチの背伸び」(書き手 / 齋藤 美和さん)
--第5夜--
書き手:齋藤 美和さん
読み手:スタッフ寿山
お読みするエッセイ:1センチの背伸び
ーーー
慌ただしい朝の時間。
電子レンジを鏡がわりにメイクをしている
自分に気がついて、ハッとした。
いけない、いけない。
自分の素顔より
少しメイクをしている顔の方が好きだ。
気持ちをぴっと立て直しできるし
「ありのままの自分」よりも、
憧れを持って背伸びしている方が
わたしにはちょうどいい。
ーーー
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6.9.2020 • 8 Protokoll, 10 Sekunden 「おしゃれな部屋がいいわけじゃない」(書き手 / 一田憲子さん)
--第4夜--
書き手:一田憲子さん
読み手:スタッフ青木
お読みするエッセイ:おしゃれな部屋がいいわけじゃない
ーーー
インテリアの記事を書くことが多い私は、
絶えず素敵な部屋の持ち主を探しています。
「あの人、今度引っ越したらしいよ」
「あの人の部屋が素敵らしいよ」と聞くと、
「ちょっと遊びに行かせて~」
とチェックへ。
そして、かっこいい家具が並び、
センスのいい雑貨が飾られていたりすると
「わあ~」と大喜びしたもの。
でも……。
ーーー
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23.8.2020 • 7 Protokoll, 16 Sekunden --第3夜--
書き手:引田かおりさん
読み手:スタッフ寿山
お読みするエッセイ:むかしむかし
ーーー
おとぎ話を聞いて下さい。
ある村のお転婆な地主の娘が
大きな国の王様に見初められ結婚します。
美しいドレスや宝石をたくさん贈られ
素晴らしい暮らしが始まります。
ところが王女は
原因不明の重い病に伏してしまうのです。
国中から集められた
大勢の医者や祈祷師達が手を尽くしますが
いっこうに良くなりません。
そして王女は、身ごもった子どもと共に
亡くなってしまいます。
ーーー
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9.8.2020 • 8 Protokoll, 16 Sekunden 「答えが見えなくても、歩き出せる」(書き手 / 一田憲子さん)
--第2夜--
書き手:一田憲子さん
読み手:スタッフ青木
お読みするエッセイ:答えが見えなくても、歩き出せる
ーーー
山の上に旗が立っていて、
そこに向かって登っていけばいいんだったら、
人生は随分ラクなのになあと
思うことがあります。
どんな坂道でも、くねくね道でも、
砂利だらけでも、あの旗までいけば、
私はきっとハッピーになれる。
そう信じられればいいのになあと。
ーーー
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26.7.2020 • 7 Protokoll, 56 Sekunden --第1夜--
書き手:引田かおりさん
読み手:スタッフ寿山
お読みするエッセイ:泉
ーーー
ないかもしれないと思って捜すと
見つからないんだけど、
絶対あるはずと思って捜すと
見つかるから不思議ですよね。
あれ?
「愛」もそうなんじゃないかしら。
ーーー
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12.7.2020 • 6 Protokoll, 43 Sekunden